今度は「南線」に乗ってみよう。出発点は玉淵潭。ここから一路南へ下り、さらに東へ向かう。終点の高碑店湖までの水位の差は20メートルあり、7カ所の門やダムを通過しなければならない。そのため、時には門の中に船を入れ、門の両端を閉めて水を注入したり、排出したりして船を浮き上がらせたり、降ろしたりして船を進めなければならない。また時には、人を乗せたまま船をクレーンで吊り上げ、門やダムを越えることもある。さらに時には、急流を遡ったり、船を台車にのせて引き上げたり、全部で五種類のやり方で門やダムを越えてゆく。
【白雲観】西便門の南側に道教の名観「白雲観」がある。毎年、春節にはここで大きな廟会(縁日)が開かれ、大勢の参拝客でにぎわう。
【天寧寺の塔】天寧寺の塔が見えてくる。遼の時代に造られた北京ではもっとも古い塔で、すでに900年以上、ここに立っている。寺院はすでになく、塔の周辺は工場が建っていて見学できないが、いま、工場を移転させてここを整備する計画が進んでいるという。
【大観園】大観園は、中国の古典、『紅楼夢』の舞台として描かれている住宅と庭園で、これを忠実に模したのが南護城河の北側に建てられた大観園である。園内の建築、山水、植物・花壇、品物などは作者、曹雪芹の描いた世界を再現している。
【陶然亭】さらに進むと陶然亭に着く。かつて文人たちが、都を離れ南に向かう友人をここまで送ってきて、別れを惜しむ場所だった。1980年代に公園となり、園内には有名な中国の女流作家の石評梅とその恋人の革命家、高君宇の墓がある。
【先農壇】先農壇は山川壇ともいう。明の永楽18年(1420年)に建てられた壇で、明、清の歴代皇帝が、中国の始祖神である神農氏を祭ったところである。古代の建築材を集めた古代建築博物館がある。
【天壇】さらに東へ行くと、有名な天壇に至る。1998年、ユネスコの世界文化遺産に登録された天を祭る壇。本誌1月号で詳しくは紹介したので、興味のある方はご参照ください。
【竜潭湖】竜潭湖に着く。ここはもともと沼地や共同墓地だったところを1952年に公園にした。その一角には北京遊楽園が造られ、遊園地となっている。また公園内の湖では、北京の竜船(ぺーロン)競漕が行われる。春節には大きな縁日が開かれる。
【東便門の角楼】さらに今度は北に向かうと東便門の角楼に着く。明の正徳4年(1439年)に建てられたL字型をした城で、東、西、南の三方に144の矢狭間がある。国家重点文化財に指定されている
【高碑店湖】「南線」の終点は高碑店湖。通恵河の中でここだけが水面が広くなっている。現在ここは洪水防止のための遊水池の役割を果たすとともに、発電所に冷却水を提供する役目も果たしている。そのため一年中、ここの湖面は凍結することはない。
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