書画と骨董の街の瑠璃廠は清時代の街並みを再現しており、いつ来ても楽しい街である。何か探して歩くより、時間のある時にフラッと行ってみた方があたらしい発見に出会える。地下鉄2号線の和平門駅から南へ歩くと5分ぐらいで到着する。
瑠璃廠と言う名は、宮廷で使われている瑠璃瓦の窯がこの辺りにあったことから付けられた。その歴史は元代までさかのぼるそうである。
瑠璃廠西街は書画の街で、瑠璃廠東街は骨董の街である。私はどちらかというと本や紙類などが売っている西街がお気に入り。ここで見つけたパンダの切り絵や、パラパラ本などはすべて私のパンダコレクションに入っている。中国風の絵や掛け軸など、「いつかは買いたい」と思いながら自分流に品定めしながら回ったりする。書道の心得がある人と来た時には硯や書道具の選び方を指南していただきながら歩いた。瑠璃廠には栄宝斎という書画の老舗があり、ほとんど値切ることはできないが、ここで扱っているものは質の良いものが多いようである。またこの街では印鑑屋さんも多くあり、好きな石を選び、印鑑をつくってもらえる。
瑠璃廠東街は骨董品を扱う店が多くある。ここでの買い物は要注意。真の値打ちを求めてはいけない。自分の好きなものを自分の思う値段で買うことが肝心。言い値で買いたければそれでOK.。また5分の1の値打ちだと思えば、とことん値切ることもできる。
瑠璃廠を出て右に曲がっていくと胡同の風景となる。
目指すは「八大胡同」。これはひとつの通りの胡同の名前ではなく、大柵欄の南側一帯で、石頭胡同、陜西巷、王広福斜街(現:棕樹斜街)、韓家潭(現:韓家胡同)、臙脂胡同、百順胡同、朱家胡同、李紗帽胡同(現:大力胡同、小力胡同)からなる胡同とその周辺のことである。なぜここが有名かというと昔から賑やかな前門から大柵欄の南側のこの辺りは清代末期から民国時代にかけて遊郭が多くあったからであった。民国時代には390件の遊郭、3500人の遊女がおり、賑やかな裏町をつくりあげていた。当時の繁栄ぶりがわかるように普通の胡同では見られないような建築物がある。
瑠璃廠東街の郵便局を右に曲がり、胡同の中にはいっていく。そこから南のエリアが八大胡同となる。当然のことながら今はもう遊郭はないから安心して歩ける。
右にぐるっと回る感じで桜桃斜街に入ってみた。 生活の匂いがする庶民の町で、表に洗濯物を干していたり、子どもたちが道端を走り回って遊んでいて、懐かしい気分である。左に曲がると韓家胡同になる。しばらくすると胡同にしては大きな2階建ての洋風の窓のある建物が見えてきた。「春元慶」と彫られた看板がある。おそらく遊郭の名前だったのだろう。陝西巷には「上林仙館」という名の建物が今は旅館となって残っている。どうやらこの辺りの遊郭にはランクがあったらしく、韓家胡同、百順胡同、陝西巷には特に立派な建物が残っているようである。レンガづくりの建物には洋風の窓、きれいな装飾、ベランダがあり、当時はかなり斬新だっただろう。大きな遊郭の建物の多くは、今では庶民の住宅となり、なんだかアンバランスな感じである。八大胡同のすべての胡同を歩くのはとてもたいへんであるから、これらのひとつ、ふたつの胡同をめがけてブラブラ歩いてみるといいと思う。
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