魯迅は日本人にとって、もっともなじみの深い文学者。魯迅は北京に住んだとき、数回住まいを変えたが、その一つ、宮門口という胡同の中にある四合院がこの博物館になっている。魯迅の住まいはつつましやかなもので、そっくり残っているが、大型の展示ホールが1996年に建てられた。
魯迅の生まれ故郷は紹興である。日本人には、これまた有名な紹興酒が作られている。彼の足跡をたどるように、国内には北京、上海、紹興、広州、アモイ、南京の六都市に魯迅博物館がある。しかし、資料の多さなど一番充実しているのが北京。「魯迅研究室」も設けられ、10人のスタッフが月刊誌を出している。主任の黄喬生さんは20年にわたって魯迅文学研究に取り組んでいる一人。
魯迅は最初から文学者を目指したわけではない。彼は1902年、20歳の時、日本の東京に留学を果たす。清の末期、彼は外国から祖国を見ることによって民族意識に目覚めていく。2年半を東京で過ごした後、仙台医学専門学校(現東北大医学部)で勉強を始める。
ここで藤野厳九郎先生に出会う。彼は後に小説も残しているが、藤野先生との師弟愛は、心に深く残るものだった。しかし、日露戦争の最中の日本、魯迅には耐えがたいできごとも少なくなかった。医学の勉強はわずか一年半、魯迅は中国に戻り、愛国運動にかかわっていく。
二人の付き合いは短いものだったが、仙台と魯迅の関係は連綿と続き、去年は国際シンポジウムが行われた。そして、今年は東北大学に魯迅の像を贈り、北京には藤野先生の塑像が贈られてくる予定。
住所:北京市阜成門内宮門口二条19号
電話:010ー66162453
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