北京では、ある1本の通りにカフェやショップが集まり、ホットスポットになる現象があるが、いままさにそんな動きが起きているのが「方家胡同」である。「胡同」は中国語で「横丁」というう意味で、日本語風にいえば、「方家横丁」、この横丁に行くには、地下鉄5号線が便利で、「北新橋」駅の北西口からおり、北に200メートルほどすすむと、左側の横丁の入り口に「方家胡同」という標示がでている。入り口には、この胡同の歴史が簡単に記されている。なんと、700年も昔からある、歴史ある横丁だということが分かる。
新しいショップと「循郡王府」など歴史的建物が交互に
この胡同、歴史を感じさせる建築物と新しいショップが交互に現れるのが魅力である。例えば横丁をはいってすぐ、方家胡同12号には、「PAPERTALK」という紙製品専門のお店がある。紙好きのオーナーが、中国の若いデザイナー50人あまりと協働し、オリジナルデザインの便箋や封筒、カードなど販売している。可愛いおみやげになりそうな製品類である。店から100メートルほど進むと、右側に、今度は、立派な階段つきの邸宅がみえる。ここは、清の名皇帝として名高い乾隆帝の第3子のために建てられた「循郡王府」。18世紀末から約200年を経ているが、いまもまだその一部の建物が残っている。その隣には、「方家胡同小学校」。ここは中国の名高い作家、老舎が青年時代、校長を務めたことでよく知られている小学校である。
古い国営工場を改造した「方家胡同46号」
方家胡同には、800メートルほどの長さの間に、こんなふうに歴史がぎゅっとつまった場所が続いていえう。さらに進むと、左側に「方家胡同46号」と書かれたゲイトがある。ここはかつて、「中国機床廠」という大きな国営工場だったが、08年前後から、操業を停止した工場の建物を貸し出し、そこにホテル、レストラン、カフェ、ショップなどが次々に生まれている。敷地内には小劇場もあり、演劇祭がひらかれることもある。胡同の散歩の途中、お茶をしたり、ランチをしたりするのに、ぴったりの場所である。
胡同の魅力がつまった「方家胡同」
北京の胡同には、歴史的な建物も沢山あるが、観光地になっているわけではなく、今も人が住んでいる。方家胡同にも人がたくさん住んでいて、夏は特に木陰で夕涼みしていたり、将棋をさしていたりする。胡同のなかの民家や町工場の一部は、貸し出されてギャラリーになっていたり、「46号」のようにホットスポットに変身したりする。新旧がいりまじり、いまも成長を続けているのが北京の胡同、そんな魅力の代表ともいえるのが「方家胡同」である。北京の暮しをみるのには、ぴったり。1本の横丁を時間をかけてゆっくり歩く。たまにはそんな旅もいかがでしょうか。
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