大鐘寺古鐘博物館は専門的な博物館である。中には、集められた鐘は約400個、鐘の海と言われる。鐘は時を告げるものであったり、音楽を奏でるのに使われた。ほとんど銅製のものだが、古いものでは陶器で作られたものもある。ずんぐりした型だけが印象に残るが、近づいてよく見ると、花模様とか仏像が彫りこんであったり、銘文が刻まれてあったりする。
この博物館では、「永楽大鐘」は世界でも歴史の古い最大の鐘である。作られたのは明代の永楽18年というから、1420年のことである。重さは46トン、直径は3.3メートルもある。46トン以上の鐘は世界に8個あるそうだが、歴史が一番古いのも永楽大鐘である。京都の知恩院の大鐘もけっこう大きくて、74トンあるそうだが、永楽大鐘はそれより280年ほど早く作られている。そして、銘文が最も多い鐘である。23万余りの経文や呪文が刻まれている。
そして、研究者がさらに誉めるのは、鐘の音色の素晴らしさ。反響が正確に計算しつくされており、15キロ四方には確実に伝わったといわれる。さて、46トンもの鐘、どうやってつるしているのだろう。これは一つ、皆さんご自分で確かめてください。
実はこの鐘、三度の引越しを経て今の場所に落ち着いた。清の雍正帝時代に別のお寺からの移転が決まり、実際に移されたのは、それから10年後、代も変わって乾隆帝の時代、1743年のことだった。それまで、お寺の名前は覚生寺という名だったが、永楽大鐘がしつらえられると、大鐘寺と呼ばれるようになった。当初は皇室の仏事を営む仏具として、または雨乞いの儀式にも使われ、今は新年を迎える象徴としてその役割を果している。
大晦日、12月31日の夜、大鐘寺でも108回の鐘が突かれている。日本からもたくさんの人がやって来るそうだ。時差の関係で午後11時から、200人ほどの人がつけるそうだ。
住所:北京市海淀区北三環西路甲31号
アクセス:302、300、367、718、運通101路線を大鐘寺バス停で下車。
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