北京を訪れた人が必ず足を向ける繁華街、王府井。長安街から北京飯店を左に見て、北に向かうこの一帯はいつも大勢の人でにぎわっている。その近代的なショッピングモールがある東安市場の地下に、小さな博物館があるのをご存知だろうか。王府井古人類文化遺跡博物館のこと。
話によると、東安市場の整地作業の最中、石や骨で作ったナイフ状のものとか、動物の骨、火を使った跡など、かつて人間が生活していた痕跡がたくさん見つかったのだ。
北京郊外の周口店といえば、北京原人が発見されたところだが、はるか昔の人類の足跡が、北京の都心部に残っていることで大騒ぎになった。
工事を中断して、中国科学院古脊髄動物・古人類研究所や北京市文物研究所による発掘作業が8カ月にわたって行われた。その結果、地下11ー12メートルに2000平方メートルにわたって、人々が暮らしていたことが分かり、石器、動物の骨など2000点が収集された。いまから24000年から25000年前、旧石器時代後期の遺跡と見られている。火を使った形跡もあり、当時の人が焼いたり、煮たりした食べ物を口にしていたことが伺える。
さらに、土質の分析などから、川が流れ、あたりの平原には牛や鹿が生息していたようだ。川は、北京の母なる川といわれる永定河の支流だったのではないか、と推測される。なんと夢のある話だろう。
こうした文化遺産を残そう、という願いを込め、王府井古人類文化博物館が設けられることになったのだ。遺跡発見から5年後の同じ日、2001年12月28日に産声をあげた。
中に入ると、49平方メートルの地面が、そのまま保存されている。壁面には大きなパノラマ画が2枚。火をたいて食事を作っている様子や、狩をしている姿が描かれている。王府井のにぎやかな街頭から、一挙に2万年以上前の世界にタイムスリップ。場所を捜しにくい人は、地下鉄王府井駅の出口Aから向かいましょう。エスカレーター右手に博物館の入り口がある。
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