唐代に建てられた北京郊外のお寺といえば、海淀区の臥仏寺に触れないわけにはいかない。臥仏寺というのは、昔から民衆に親しまれてきた俗称である。正式には十方普覚寺だそうで、唐の太宗の治世の貞観年間(626~649年)に建立された。パンダのいる北京動物園の前から360番のバスで30分ほど、まわりには香山公園、北京植物園などもあり、気軽に出かけられる北京の景勝の地である。
臥仏寺の目玉は、その名の通り重さ54トン、長さ5・3メートル、高さ1・6メートルの銅製の臥仏である。元の治元元年(1321年)に造られたもので、横になる釈迦牟尼は一般に、後事を弟子に託する姿と解釈されている。臥仏寺の臥仏の後には、悲しみ溢れる瞳の12人の弟子が立っている。
1300年前のこの寺の建立当時の面影を伝えているものとして、境内の一角で毎年厳冬のなかで花を開かせる臘梅があげられる。1300年の樹齢を持つこの臘梅は、一度枯れたあと残っていたその根から、百年ほど前にまた数十本の幹が姿をみせ、いまでは3、4メートルに育っている。そして、毎年の1月に、その黄色い花が、松の緑、雪の白に映え、北京の花暦に色を添えてくれる。
臥仏寺バス停から臥仏寺までの道の傍らには、総面積百余ヘクタールの北京植物園北園が続き、春にはここの碧桃園の桃の花、牡丹園の牡丹、夏にはバラ園のバラ、秋には絢秋苑の菊などなど、四季折々の花が行き交う人々の目を楽しませてくれる。臥仏寺の裏、つまり北側には桜桃溝という渓谷があり、1500メートルにわたって山や谷、美しい花木、静かなせせらぎが続く。
臥仏寺の西側には、元代に建てられた碧雲寺、清代に建てられた金剛宝塔座、羅漢堂などがあり、その隣にはモミジで知られる香山公園がある。
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