前門大街は北京の有名な伝統文化産業集中区で、約600年の歴史がある。日ごろから古い北京の文化に興味を持っているので、週末を利用して、同僚と一緒に三人で前門大街へ出かけた。
交通手段は最寄駅である地下鉄環状線の前門駅のほか、天安門東駅、天安門西駅からも比較的近く、さらにバスの路線も多く走っている。バスを利用する場合、2、9、5、17、20、22、44路線のいずれかに乗って「前門」バス停で下車する。交通の便はとても良いところだ。
私たちは地下鉄の前門駅で集まってから、C出口から出た。前門大街は遠くはない。そこへ行く前、「廊房二条」という胡同を散策した。ここは北京の特色のあるレストラン、ホテル、古い北京の軽食店、書店などが並んでいる。私にとって、一番印象的なのは北京風味満載の「正陽書局」である。この書店、外観は目立たないが、中に入ると別世界に足を踏み入れたようである。15平方メートル足らずの部屋は様々な年代物であふれ、落ち着く先が見つからない。陳列棚に置かれた古本千冊、そのすべてが古い北京文化に関連している本である。順番に並んだ三十余りの兔児爷、無造作に置かれた古いテーブルや椅子、古い窓、お茶缶、門礅児、城砖、路地の表札、および壁に掛けられた古い地図などは、どれも歴史を感じさせ、静かに古い北京の移り変わりを物語っているようである。
この胡同を抜けると、前門大街が目に入る。前門大街は天安門広場の南にある正陽門と箭楼から始まる大通りである。石敷きの歩行街はたいへんな人混みで、昔なつかしの「ちんちん電車」がその中を通り過ぎてゆく。
歩行街の両側は清朝から続くという老字号(老舗)も多い。月盛斎、大北写真館、中国書店、祥聚公菓子店、盛錫福、瑞蚨祥、尚珍閣、呉裕泰、周大福などの老舗がここに集まっていている。日本人にもよく知られているところでは北京ダックの全聚徳、お茶の張一元、漢方薬の同仁堂などがある。また履物(布)の内聨升、チーパオ(旗袍:チャイナドレス)を仕立ててくれる糸調商店なども忘れてはならないだろう。
大柵欄は前門大街から西に折れて入っていく横道である。前門大街と比べると狭いが、さまざまな老舗もそろっている。
一つひとつの店をゆっくりぶらついたら、もうおなかが空くころだ。このとき、北京の特色あるレストランに入るのは良い選択であろう。私たちは「贾大爷卤煮店」を選んで、「卤煮火烧」「爆肚」など北京の独特な軽食を味わった。
ご飯を食べて、今日の楽しい前門大街の旅を終了したのであった。
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