紫禁城の西側に細長い湖からなる公園がある。北海公園のことである。その北部には后海とよばれるエリアがあり、その西側に湖があり、その湖の沿道は周囲に住む人たちの憩いの場となっている。この沿道の中ほどに宋慶齢故居がある。清朝最後の皇帝(ラストエンペラー)溥儀の父、醇親王の王府であった所でもある。
上海生まれの女性革命家宋慶齢は師と仰ぐ孫文の妻となった。孫文の死後も共産党と行動を共にし、中華人民共和国成立後は副主席の要職にもついた。また名誉国家主席として社会福祉活動に従事し、孫文の遺志を継いで、中国革命の近代化に貢献した人物である。また現中国の成立後も毛沢東や周恩来から一目も二目もおかれた女性であった。
入口を軍人が守衛していることから、国の管轄におかれていることがわかる。館は博物館になっており、宋慶齢に関する遺品などが多く展示されている。この館は最近改修され、その様子は少し古い写真とは異なるようになった。また宋慶齢の像の位置も以前と異なったところにある。
宋慶齢三人姉妹の波乱に富んだ一生は世間でも良く知られている。この館は1962年に周恩来が彼女に与えたものである。1981年までこの地で生活し、一生を終えた。1982年に国の重要文化財に指定され、今日では一般に公開されている。
この館は清代最後の皇帝愛親覚羅溥儀(ラストエンペラー)の生家であり、溥儀が紫禁城を追われた時、一時ここに逗留したこともある。彼はその後、天津、そして東北地方の満州へと移動していった。その後この館は宋慶齢が住むまで荒廃したままであったそうだ。
ここでは400点あまりの歴史上の写真と300点余りの貴重な文化財、資料、彼女の活躍している様子、生活の様子などを年代別にパネルで展示している。アメリカ留学時代や、三姉妹の写真、弟である宋子文にあてて書かれた手紙など、宋一族に関わる興味深いものがたくさん展示してある。
展示場は3室に分かれ、かつての公的な客間だった第一室は、出生から中華人民共和国成立までの豊富な資料を展示している。第二室は建国後の平和運動や児童保護運動の足跡、第三室は日常の彼女の生活空間で、食堂、居間、書斎、寝室などをガラス越しに見学できる。当時の生活の一端を伺い知ることができるだろう。館内には毛沢東や周恩来の自筆の感謝状など、彼女の幅広い活動が偲ばれる文書も展示されている。
庭には、后海から水を引いた池があり、彼女が愛したバラやザクロなどが育てられている。水と林に囲まれた王府であるが、后海の大規模浄化作業中で現在は残念ながら廷内の湖水も干上がっている。
宋慶齢故居
住所:北京市西城区后海北沿46 号
公式サイト:www.sql.org.cn
担当者:艾玲
TEL:010-64044205-839
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